SNSで子どもの写真を共有する前に確認したい!家族で考えるプライバシーのルール作り
はじめに:子どもの写真、SNSで共有する前に立ち止まって考えてみませんか
お子さんの成長記録やかわいい瞬間をSNSに投稿するご家庭はたくさんいらっしゃいます。友人や親戚に近況を伝えたり、思い出を共有したりすることは、SNSの大きな魅力の一つです。しかし、少しだけ立ち止まって考えてみましょう。その投稿が、お子さんのプライバシーにどのような影響を与える可能性があるのか、具体的にご存じでしょうか。
このページでは、SNSに子どもの写真を投稿する際に知っておきたいプライバシーのリスクと、ご家庭で安心してSNSを活用していくための具体的な対策、そしてお子さんと一緒にプライバシーについて考えるヒントをお伝えします。難しい専門用語は使わず、分かりやすい言葉で解説していきますので、ご安心ください。
なぜ「子どもの写真」投稿に注意が必要なの?3つのリスク
SNSに投稿された子どもの写真には、いくつかの注意すべき点があります。これらは決して特別なことではなく、私たちの日常生活と深く関わっているものです。
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一度公開すると完全に消すことは難しい インターネット上に一度投稿された写真は、瞬く間に世界中に広がる可能性があります。仮に投稿を削除したとしても、コピーされたり、別の場所で共有されたりすると、完全に消し去ることは非常に難しくなります。お子さんが大きくなった時に、幼い頃の写真が意図しない形で残り続けることについて、どう感じるか考えてみることも大切です。
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写真から個人情報が特定される可能性がある 一見ただのかわいい写真に見えても、背景に映り込んだ情報から、個人が特定されてしまうケースがあります。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 学校の制服や校舎、園の名前がわかるマーク:通っている学校や園が分かってしまいます。
- 自宅の外観や周辺の風景:住んでいる場所が推測される可能性があります。
- 名札や持ち物に書かれた名前:お子さんの名前が特定されてしまいます。
- 写真の位置情報:スマートフォンで撮影した写真には、どこで撮影したかという「位置情報」が記録されていることがあります。もしこの情報がそのまま公開されると、お子さんがよく行く場所や行動範囲が知られてしまう危険性があります。
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悪用されるリスクもゼロではない 残念ながら、インターネット上には悪意を持った人も存在します。公開された子どもの写真や情報が、いじめ、誘拐、なりすまし、または不適切な目的で利用される可能性もゼロではありません。特に、お子さんの顔写真や名前が特定できる情報は、細心の注意が必要です。
家族で実践!SNS投稿のプライバシー対策ステップ
では、具体的にどのような対策をすれば良いのでしょうか。ここでは、すぐにでも実践できる3つのステップをご紹介します。
ステップ1: 投稿前に「本当に大丈夫?」を考える習慣を持つ
写真をSNSに投稿する前には、ちょっとだけ立ち止まって、次のことをお子さんと一緒に、または親御さんだけで考えてみましょう。
- 誰が写っていますか?本人の許可は得ていますか? まだ言葉が話せない小さなお子さんの場合は、保護者の方が判断することになります。大きくなったお子さんについては、できれば「この写真をSNSに載せても良い?」と尋ねてみましょう。お子さん自身が嫌がる写真を無理に投稿しないことが大切です。
- 個人が特定できる情報は写っていませんか? 前述したような、学校名、園名、自宅の場所、名前など、個人が特定できてしまう情報が写り込んでいないか、最終確認しましょう。背景に注意したり、名前の部分をスタンプで隠したりするだけでも効果があります。
- 将来、この写真を見たお子さんがどう感じるか想像できますか? 今はかわいくても、思春期になった時、あるいは大人になった時に、その写真が公開されていることをどう感じるでしょうか。お子さんの将来の気持ちを尊重する視点も大切です。
ステップ2: SNSの公開設定を適切に確認・変更する
SNSには、誰が投稿を見られるかを設定できる機能があります。この設定を適切に行うことが、プライバシーを守る上で非常に重要です。
- 公開範囲を「友達のみ」「家族のみ」などに限定する 「全体公開」ではなく、「限定公開」のオプションがある場合は、積極的に利用しましょう。信頼できる人にだけ共有することで、情報が不必要に広がるリスクを減らせます。
- 位置情報サービスをオフにする スマートフォンのカメラ機能には、写真を撮影した場所を自動的に記録する「位置情報サービス」が設定されていることがあります。SNSに写真を投稿する際は、この機能がオフになっているかを確認しましょう。多くのスマートフォンでは、「設定」アプリの「プライバシー」項目から「位置情報サービス」の設定を変更できます。SNSアプリごとに設定できる場合もありますので、確認してみてください。
ステップ3: 家族で話し合い、プライバシーのルールを作る
最も大切なのは、ご家庭でプライバシーについて話し合い、ルールを作ることです。
- 投稿の許可制にする 特に小学生以上のお子さんには、「SNSに自分の写真を載せて良いかどうか」を尋ね、許可を得てから投稿するようにしましょう。
- 何が「家族の秘密」かを確認する 「家の場所は、知らない人には教えない大切な秘密だよ」「お風呂に入っている写真や、お友達の写真は、載せないようにしようね」など、具体的に「公開しない方が良い情報」について話し合いましょう。
- インターネット上の情報の拡散性を教える 「一度インターネットに載せると、遠い知らない人にも見えちゃうんだよ」「消したつもりでも、どこかに残っちゃうこともあるんだ」ということを、お子さんに分かりやすく伝えましょう。
子どもにどう伝える?やさしいプライバシー教育のヒント
お子さんにプライバシーの大切さを伝えることは、未来に向けてとても重要なことです。難しく考える必要はありません。日常生活の中で、少しずつ教えていきましょう。
- 問いかけで考えるきっかけを作る 「これ、SNSに載せてもいいかな?」「もし、知らない人がこれを見たらどう思うかな?」といった問いかけをしてみましょう。お子さん自身が考える習慣を身につけることが大切です。
- 例え話で分かりやすく説明する 「お友達に秘密の話をするのと同じで、インターネットにも『これは秘密にしておこうね』ということがあるんだよ」といった、日常の出来事に例えて話してみましょう。
- 家族の約束として視覚化する 紙に「SNSに載せる写真のルール」として、「顔は隠す」「場所は書かない」「お友達の写真は載せない」など、簡単な言葉で書き出して、家族みんなが見える場所に貼っておくのも良い方法です。
まとめ:完璧を目指すのではなく、一歩ずつ取り組むこと
SNSで子どもの写真を共有する際のプライバシー対策は、一度に完璧にこなす必要はありません。大切なのは、「これは大丈夫かな?」と立ち止まって考える習慣を持つこと、そして、ご家族でプライバシーについて話し合う時間を持つことです。
お子さんが安心してデジタル社会を生きるために、親ができることはたくさんあります。小さなことから始めて、ご家族にとって心地よいプライバシーのルールを見つけていきましょう。ご不明な点があれば、いつでもサイト内で他の記事も参考にしてみてください。